みっともない恋(森世)
「無条件で 受け入れて もらえたらって 期待してたんだよ お前に」
◆攻め:黒川蛍介(大学生・先輩)
◆受け:白浜和泉(大学生・後輩)
◆エッチ:あり
◆属性など:ヤンデレ、暴力、おもちゃ、監禁、(同時収録作品)お漏らし
◆評価:★★
【あらすじ】
愛で、壊される。不器用で、そしてイビツなクレイジーラブ。
大切な人を失った過去を持つ大学生・和泉。他人と距離を置き、周囲に心を閉ざした日々を過ごすなか、校内一の人気者・蛍介先輩と出会った。明るくて優しい先輩に惹かれていくが、次第に常軌を逸した愛情を感じるようになっていく…。
温もりに飢えた執着攻×内向的で健気な受。その他、ヤンキー(受)のイチャコラ性活『青少年流』シリーズなど、短編を収録。
【同時収録作品】
・恋しいこぶし
・誰にもなれない
・青少年流バイオレンス
・青少年流レジスタンス
・青少年流モノポリー
【感想】
「BookLive!コミック」で試し読みして、あらすじにある「常軌を逸した愛情」「執着攻×健気な受」という文言に惹かれ、あえてのヤンデレ狙いで購入してみた作品です。
結果、私には病みが強すぎました^^;
口コミなどで調べずに購入したのですが、「痛み」を伴うヤンデレでした。
同じヤンデレでも、ひなこ先生の『イノセントラブ』のように、あくまでも甘いヤンデレじゃないと私には無理ですねー。
『みっともない恋』
亡くなった従兄・有馬の墓参りばかりしている「陰」な雰囲気の和泉と、カッコ良くて明るくてみんなの人気者で「陽」な雰囲気の蛍介。
ゲイであることに悩んでいた和泉は、生前の有馬に相談していました。それを今でも続けている和泉。
「白浜くんに 好きになって もらえる人は 幸せだな・・・」
墓参りする和泉にそう呟く蛍介は、「あー、和泉のことが好きなんだなー」と思えていいのですが、そもそも墓参りに同行したり、「(墓参りって)楽しいの?」なんて言っちゃうあたり、すでに「?」なものがほんのり滲み出ています。
つき合うことになったふたり。鬼のような着信や、バイトに行かせなかったり、徐々に蛍介の「陰」の部分が出てきます。
有馬に嫉妬した蛍介は、墓前で和泉を襲います。この時に暴力をふるうんだけど、これを機に暴力は日常的になっていきます。
もはや恐怖でしかない蛍介の存在。
ケガが増える和泉を心配する友人。それにも嫉妬した蛍介はおもちゃで和泉をいじめます。
春休み、和泉を監禁する蛍介。有馬のことを根に持つ蛍介は、また一緒に墓参りに来ますが、有馬の墓を壊し始めます。
ずっと蛍介の要求しているものは何か考えていた和泉は「俺はひとりで いいんだよ・・・」と言い放ちます。
それを聞いた蛍介は、
「俺にも期待 してないって ことだろ」
「無条件で 受け入れて もらえたらって 期待してたんだよ お前に」
「お前に会うまでは 俺だって 誰にも 期待して なかったのに・・・」
和泉を解放し、連絡を絶ちます。
その後、蛍介の親子関係の話を聞いた和泉は、心配して蛍介宅に向かいます。そこで、蛍介と、愛情の欠片も感じられない母親との会話を偶然聞いてしまう和泉。逃げ出した和泉は車にはねられてしまいます。
「先輩を ひとりにしたくない」
改めて思った和泉は蛍介と向き合います。ずっとさみしかった蛍介。壮絶なやり取りをした結果、蛍介に届いた和泉の想い。
蛍介にひとの温度が伝えられるよう、これからの自分に期待する和泉ーーー。
ラストはハッピーエンドで、憑物が取れたような蛍介が見られます。
ゲイということで孤独を感じていた和泉にも、ノンケの有馬と違って、同じ仲間の蛍介の存在は本当の意味での救いだったのでしょうね。
『恋しいこぶし』
自己中、わがまま、上から目線な映見は、実は痛くされないと満足できないドM。
日頃から生意気な態度ばかり取っているので、バイト先の遠藤に襲われて、無理矢理口に遠藤のモノを入れられてしまう映見。なのだけど、ドMの映見は感じてしまいます。
とそこへ、映見の彼氏・才人が現れて、、、
痛いのが好きという性癖なので本人は良いのでしょうが、読んでいる私にはボロボロになった顔の映見は見るに堪えないー(>_<)
『誰にもなれない』
誰得!?なお話。ホント最悪なお話です。救いがない。いい要素がない。
それまで仲が良かったのに、同性が好きと分かったらいきなりクズ扱いしてきた、そういうお話。
こういうお話を読みたがる人っているの!?最悪です。
『青少年流バイオレンス』『青少年流レジスタンス』『青少年流モノポリー』
先輩3人に絡まれている終平を助けた、ケンカが大好きな鳩。そんな鳩に一目ぼれした終平は、「彼女はいんの? いるなら別れて 俺のもんになって」とキスします。
その日から付き合うことになったふたりだけど、終平には好きな子を叩きたくなるというドSな性癖が。
最初は嫌がっていたけど、終平に叩かれると感じてしまう鳩。
いつの間にか自分が受けになっていることに不満を感じる鳩は、終平を縛ってみるもあえなく撃沈。自分が受けであることは受け入れます。
終平と付き合うようになってもケンカばかりしている鳩。それが独占欲から面白くない終平。ケンカの様子を見に行ったら、相手に性的に襲われそうになっている現場を目にして、別れを告げます。
取り付く島のない終平に対し、どうしたらいいか分からない鳩は様子見と称して尾行することに。
そうしたら女性とデートしてる!?焦った鳩は、、、
ほんの少し痛い描写やお漏らしなど、あまり好きじゃないエッセンスがあるものの、鳩が可愛いし、ふたりがラブラブなのでアリかな。
この話が収録作品の中では1番好きかもです。
とはいえ、全体的に好み的に難しい1冊。「ヤンデレ」と分かっていて購入したので、まぁ想定内ということで★は2つで。
でも『誰にもなれない』はホント最悪です。(←何度も言う(`^´)=3 )
参考になりましたでしょうか?