はやとのBL読書感想日記

「はやと」と申します。読んだBL作品について、気ままに感想を書いていきます。皆様の参考になればいいなぁ。

飴とキス(秋平しろ)

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「俺に映ってる前田くんが 本当の前田くんなんだよ」

 

◆攻め:楊井春久(ファッションビルの本部社員)
◆受け:前田大希(ファッションビルの中のショップ店員)
◆エッチ:あり
◆属性など:ヘタレ受け
◆評価:★★★★★

 

【あらすじ】

小さい頃から貧弱で不細工で、モテたことなんて一度もない。だからせめておしゃれには気を使いたい。そうして気づけばショップ店員になっていた前田大希には、好きな人がいる。ファッションビルの本部社員・楊井春久だ。優しくてかっこよくて、気さくに接してくれる憧れのひと。でも、1ミリの可能性もない恋だと自覚している── そんなある日、勢いで言ってしまった一言で、楊井にファーストキスを奪われてしまい!?

 

【同時収録作品】

・絶世の前田くん(描き下ろし) 

 

【感想】

秋平しろ先生の初コミックス。『僕らの群青』から入った私ですが、それと似たような空気感で、こちらも大好きな作品です^^

でも『僕らの群青』の方がハッピーオーラが強いかな。

あーでも描き下ろしでは、こちらの作品の方がラブラブハッピーです♪

ラブラブあまあま万歳ヽ(〃^▽^〃)ノ

 

こちらの受け様はヘタレ受けと言うか、ネガティブ受けと言うべきか。

小さい頃に「女顔」というのを理由にイジメられた経験があるからなんだけど、「女顔」って可愛らしいということよねー。その可愛らしさに気付いたのが楊井なわけです。

この楊井がかっこいいのよねー。ただ立っているだけなのに、その佇まいがかっこいい。

容姿についてはネガティブな前田だけど、でも暗いというよりは、控えめな感じで、お仕事も一生懸命だし、そういったところも楊井は見てくれています。

ちなみに、前田は一重で、楊井は二重です。しっかり描き分けされています。

 

前田が働くお店が「10インチフロッグ」というのだけど、ここの店長・和仁(わに)と店員・花ちゃん(♀)もいいキャラしています。

描き下ろしラストでみんなで写真を撮るのだけど、この時のみんなの表情とかポーズにキャラが出てて、「あー、いるいる!」みたいに思えます^^

 

ファッションビル近くで花火大会があった日、ビルもお祭り騒ぎなんだけど、この時の逢えないドキドキ感がいいですね。イベントならではの高揚感というか。

にしても、去年の花火大会の様子が思い出として出て来たけど、ふたりの想いはいつからなのだろう、、、なんて気になってみたり。

 

花火大会後、楊井宅で飲み会をすることになった「10インチフロッグ」の仲間たち。

酔い潰れたみんな。片付けをする楊井。目を覚ます前田。 

楊井「どうして自分の事 悪く思ってるの?」

前田「じゃあ、楊井さんは 僕の顔に、キスできますか」

「できるよ」と言ってキスする楊井。

この時の前田の狼狽えようが可愛いのと、楊井が大人セクシー。

 

翌日以降もいつも通りの楊井に対し、「なかった事にされた」と感じる前田。

そんな中、本部バイトの理沙ちゃんと楊井が同じタイミングで風邪をひいたことから、付き合ってる疑惑が浮上します。

 

ショックを受けつつも、お見舞いに行く前田。明らかに喜んでいる楊井がいいですね。小花が飛んでます(笑)

「風邪!理沙さんも、ひいてました!」←この時、前田の手がお腹あたりでキュってなっていていいです。

「・・・理沙さんと付き合ってるって 本当ですか?」←この時、手は胸元でわさわさしつつ、楊井の胸あたりを見て訊いてるのが前田っぽくていいです。

ここの一連のシーンの前田の動きやら目線がリアルで、あーこういう時こうなるーみたいな、素晴らしいです。

 

互いの気持ちを確かめ合うふたり。

楊井の「ちがったらゴメンだけどーーー」がなんだか好きです。いつかどこかでまねして使いたい(笑)

あと、楊井の射貫くような目もいいですね。見据えるというか、前田の気持ちの奥の方まで見てる感じ。

ベッドに寝転がっている楊井もかっこいー(〃д〃) 手がいいです。

ふたりの気持ちが通じ合ったここら辺から、楊井の前田大好きモノローグがダダもれてきます(笑)

それに伴ってハートのトーンが多用されてきますが、ラブラブで可愛くて楽しくて好きです^^ ♪

 

ところで、この風邪っぴきシーンで、楊井はマスクをしているのだけど、マスク顔の描き方が違和感がなくて上手です。(←プロに失礼^^;)

いやー、マスクに違和感を感じる作品も多々あるので。。。

 

このシーン含め、楊井がソファに座って、前田が床に膝をついて楊井の方に向くような構図が何回か出てくるんだけど、この構図、前田が可愛くて好きです。

そして、『僕らの群青』でも感じていたのですが、秋平先生の描く腰が好きです。少年のような細い腰というか、背中からお尻にかけての薄い感じがいいです。

 

楊井の一言から前髪を切る前田。まわりのリアクションにびくびくする前田が可愛い。

「変ですか」の質問に答えない店長・和仁と店員・花ちゃんとのやり取りが面白い^^

和仁なんて前田の質問ガン無視で「何かアレに似てない?」とか言い出すし(笑)

前髪休暇とか、和仁最高♪

 

トイレに逃げ込もうとする前田。そこにご機嫌楊井が現れて追いかけっこが始まります。

「あ、じゃあ 俺も(トイレに) 行こうーっと」という楊井のご機嫌ぷりが最高♪

「可愛い!」と喜ぶ楊井。「俺のために♡」と個室に連れ込んでキスします。

呼び出し電話にキレる楊井(笑)

このシーンもハートが飛んでてほんわかラブラブです^^

 

この後の和仁と花ちゃんのやり取りも楽しくて好きです。

この二人、そこまで濃く絡んでこないんだけど、ちょっと出てきた時の日常のやり取りが楽しくて好きです。

なんか友達の知り合いぐらいの距離感で、みんなどこかにいそう^^

 

お店の常連さんでフリーペーパーなども手掛ける橋本に、写真を載せたいと言われる前田。一緒に喜ぶ楊井。この時のふたりが小さいコマなんだけど、一緒に「ぴょーん」てジャンプしてて可愛すぎる!もちろんハートトーンも飛んでます^^

スキップして本部に戻る楊井。決してチャラい訳ではないんだけど、この軽い感じがいいですね。ほんわか、ゆるい感じ。

 

そんな楊井がシリアストーンで前田に告げます。

「関西の方に 異動になっちゃった」

期間限定4か月の遠距離恋愛の始まりです。

 

楊井の前では「大丈夫」と気丈にふるまう前田だけど、実のところは不安でいっぱい。

でも嫌われたくなくて、大丈夫なふりをして見せます。

この時の和仁とのやり取りもいいんですよねー。

和仁「ひっどい顔 してんな~」

前田「ほっといてください 仕様です」

和仁「大阪の女の子ってさぁ 『あかん❤』って 言うんでしょ~ やばくなーい?」

前田「確かに、やばい・・・!」

うん、やばいね(笑)

 

前田の不安から、どんどんすれ違っていくふたり。

前田が一方的にどんどん追い込まれていく感じがリアルで、強がって空回る人の典型って感じ。

そこに橋本が絡んできて、橋本にキスされそうになる時の「ひぃぃぃぃぃぃ・・・!」の前田の顔(笑)

どうなる!?ってところで楊井が登場し、前田はようやく本当の気持ちをぶちまけます。

 

身体を重ねるふたり。

「俺に映ってる前田くんが 本当の前田くんなんだよ」

とても優しい言葉ですね。

「見つめ合う ということを 僕ははじめて 知ったような気がした」

表面的なことではなく、その人の本質というか、奥の方まで。

 

翌朝のふたりがまたいいんですよー♪

いちゃいちゃしながら、後ろから抱きしめながら、自然な流れで指輪をはめる楊井が(〃ω〃)

 

描き下ろしがもうラブラブで!

「ぽよ~ん」の効果音で出てくる絶世の前田のアップが最高(笑)

5つ星スイーツのお店でケーキを買って走って帰る楊井と、飛びついてお出迎えする前田。もうケーキなんてどこへやらですよ!

もう、楊井がワンコですよ!そんな楊井の薬指にも指輪が!

部屋に貼られているふたりの写真も萌えポイントです。

はぁ~、幸せバカップル万歳ヽ(〃^▽^〃)ノ


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