はやとのBL読書感想日記

「はやと」と申します。読んだBL作品について、気ままに感想を書いていきます。皆様の参考になればいいなぁ。

やたもも(はらだ)

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「絶対違うよなあれはーって・・・」

「わりと自信あるよ、俺」

 

◆攻め:八田(絶倫オカン系男子)
◆受け:モモ(生活能力のないビッチ24歳)
◆エッチ:あり
◆属性など:ビッチ受け、過去のトラウマ
◆評価:★★★★★

 

【あらすじ】

生活能力ゼロ、究極ビッチでクズでろくでなしモモ。オカン系男子で面倒見のいい純朴青年、八田(やた)ちゃん。公衆トイレでの“事後処理”中という最低最悪の出会いから、八田ちゃんの人の良さにつけこんで、家に転がり込むことになったモモ。彼と過ごすうちに、ろくでなしなモモに少しずつ変化が…。そんな矢先、モモの過去のパトロンが表れて――。 エロコメディ!なのに胸を抉る切なさもある、はらだワールド炸裂の1冊!

 

【同時収録作品】

・すももむかしこばなし(描き下ろし)

・やたももごじつだん(描き下ろし)

 

【感想】

コアなファンの多い、はらだ先生の代表作。はらだ先生初読み作品です。

ビッチ受けというか、「パチですった」「口でするからお金ちょーだい♡」とか言っちゃうろくでなしっぽいし、不幸臭がするし、ヘビーそうだなーと思いつつも、とはいえラブラブそうだし、口コミなどの評判があまりに良かったので意を決して購入。

いやー、予想通り私にはヘビーでした。ヘビーでしたが、モモが健気なまでに力強く生きているので何とかなったというか、八田の愛情の深さと、隣人の栗田(次巻登場)の存在も救いですね。恋人だけでなく、友人もいる。

タイトルがふたりの名前なのがいいですね。それも購入を決めた理由の一つです。なんかラブラブっぽいというか、ふたりで一つ感がいいと思って。

 

ふたりが付き合っている状態から物語は始まります。

まだ幼い頃から「性」をお金に変えてその日暮らしをしているモモ。

男たちに騙されて身体もボロボロ、お金もなく困っていたところにモモから声を掛けたのが、八田との出逢いでした。

真面目な八田は見るに見かねて、1泊だけならとモモを家に招き入れます。

なんだけど、ここで欲望に流されちゃうのが八田の素直なところというか、でも読んでて「お前もかーい!ヾ(*`Д´*)ノ"」と突っ込んでしまいました。ふたりがカップルになるからいいけど、頬赤らめて「カワイイ」といって愛情を感じるからいいけど、本来であれば「お前も他の奴らと変わらんな」と残念に思うところ。いや、ちょっと思ったけどね。

 

いつも安定した住まいを得るために愛人として囲われてきたモモ。今までの連中とは違う八田。

モモは自分で働こうと考えます。八田に囲われる愛人ではなく、対等な恋人になるために。

 

居酒屋でバイトを始めるモモ。その居酒屋で昔の愛人・須田に遭遇します。

薬を盛ってモモを拉致する須田。妻も子どももいるくせに、異常な執着を見せます。

須田「一人じゃ 生きていけないくせに」

モモ「けど俺には八田ちゃんがいる」

解放されるモモ。

 

助けに向かった八田は、結局間に合わず、八田も私も「須田ーーー!!!(#`皿´)」と怒り心頭だけど、その後のふたりのやりとりが素敵で、怒っても仕方ないよな、というか、静かに心がリセットされます。

モモの大人な一面というか、モモはその生い立ちから幼い頃から大人にならざるを得なかったんだなー、と感じさせられました。いい加減なように見えるけど、実は生きるために本当に大切なもの以外は捨てるしかなかっただけ。そうやってでしか生きる術がなかった。そんなモモが良しとするなら、許すというなら、許すしかないな、と。

 

愛されることに慣れていないモモ。

ラスト、べランダでひとり好きな気持ちを噛みしめるモモが可愛すぎます。

そして、恋人になるべく、一人暮らしを開始するモモ。。。

 

ちなみに、エロいです。そのエロさが八田の愛情表現と考えると、ただのエロじゃなく必要なシーンだなー、と感じられます。また可愛いんだよなー。八田のエッチに翻弄されているモモが。ある意味慣れているであろうはずなのに、初々しく感じられるモモが変にスレてなくていいです。

モモのそれまでの人生を昇華させてくれているように感じました。

 

描き下ろしは、須田との生活を描いたものと、冒頭に戻って一人暮らしを始めたモモのことが描かれています。

 

テーマもいいし、やたももふたりがラブラブだから★5つつけたいところだけど、須田とのことがどうしてもひっかかってしまい、★は4つ(>_<)

と思ったけど、やっぱり愛が深いから★5つ!


参考になりましたでしょうか?