恋愛なんてゆるしません!(須坂紫那)
「好きだから 付き合いたいと 思うんだ」
「誰にも 渡したくない」
◆攻め:藤堂(ゲイのサラリーマン/学生時代からの友人)
◆受け:霧島 直斗(弟大好きイケメンサラリーマン/学生時代からの友人)
◆エッチ:あり
◆属性など:健気攻め
◆評価:★★★
【あらすじ】
弟ラブの残念なイケメン・直斗のノロケ相手は、もっぱら大学時代からの親友でゲイの藤堂だ。最近弟に恋人が出来たのではと怪しんだ直斗は藤堂に相談することに。だが、弟の連絡相手が藤堂だと知って……!?
バリタチ×ブラコン兄のリーマンラブ!!
【同時収録作品】
・泊まりました(描き下ろし)
・目を背けていた問題(描き下ろし)
・やり始めると止まらない(描き下ろし)
・世話好き長男(描き下ろし)
【感想】
上記描き下ろしは全て表題作のものです。
表紙でも分かる通り絵がきれいです。
そのきれいな絵で描かれた、藤堂がスマホを眺めて優しく微笑んでいる横顔がとても素敵です。
眼差しからも口元からも愛しさがにじみ出てるというか、微妙なタッチの差で違ってくるんだろーなー。
勘違いした霧島は藤堂に弟の代わりに俺が相手になると言いますが、それに対し藤堂は「違う角度から見りゃ 弟の彼氏 寝取るってこと なんだぞ」と言います。
目から鱗、確かに!もしそうだとしたら、弟にしてみたら地獄ですね。
それでもあまりにしつこく疑い、不毛だなんて言うものだから、勢いで霧島に想いを伝える藤堂。
学生時代から霧島のことを想っていた藤堂。
藤堂と離れたくない霧島は、「キスは出来る」「付き合おう」と提案します。
逆に戸惑い「考えさせてくれ」と言う藤堂。
形勢逆転の不思議(笑)
そこから霧島のアピールが始まるんだけど、気持ちの重みが違うんだよねー。
それを藤堂も感じてて、結局今まで通りでいようという選択をします。
ほかの作品でも見かける、「『出来る』と『したい』は違う」問題が、ここでも出てくるわけです。
でもねー、人って変わるからねー。
霧島も、藤堂から告白された時から思い悩む時間を経て、急激に変化していきます。
藤堂の想いに追いつくように。年月が違うからね、そう簡単なことじゃないけど。
ゆっくりと育ててきた木のような藤堂の想いと、
短期間で一気にいろんな刺激を受けて芽吹き始めた霧島の想い、って感じでしょうか。
それにしても、やっぱり表情って重要ですね!
そういう意味での絵の上手さ。
須坂先生の絵は「目が口ほどにものを語っている」と感じます。
そして、久しぶりに読み返してみたら、最初の印象とだいぶ変わりました!
実は霧島の印象があんまり良くなかったんです。
弟の代わりに〜とか言っちゃうあたりが、浅はかな気がして。
でも後半、自分の感情に素直なんだな、と思いました。
ちょいちょい弟くんの恋バナが出てきますが、続編でそこが描かれています。
次はそれをご紹介します^^
参考になりましたでしょうか?