こっち向いて笑って(市川けい)
「もう いい加減認めろよ」
◆攻め:浅野顕太(バイトの先輩/2歳上の大学生)
◆受け:筧慎一(バイトの後輩/2歳下のネガティブ大学生)
◆エッチ:あり
◆属性など:ツンデレ受け
◆評価:★★★★★
【あらすじ】
居酒屋でバイトする浅野は、特に親しくもなかった無愛想なイケメン・筧に「あんたの事好きなんですよ」と告白され人知れずパニックに。しかし、それからも拍子抜けするほど態度の変わらない筧。意識し始めたのは浅野の方で…。
告白からはじまり、ゆっくり心が近づく恋。せつなさ最強の市川けいのセカンドコミックス!
【同時収録作品】
・それから(描き下ろし)
【感想】
筧のツンデレ具合にやられてしまいました( ´ ▽`*)ゞ ここからどうなるのーって気になってしまって。逆に告白されたはずの浅野の方が告白した方だっけ?みたいな(笑)
基本ツンなのに、浅野からもらった缶コーヒーがもったいなくて飲めないとか、それをものすっごいちっちゃい声(文字)でつぶやいてみたりして。このほんのちょっとのデレの破壊力たるや!ツンも照れ隠しなんだろーなーと思える程度なので、眉間にしわが寄ってても可愛らしいです^^
そんな可愛い一面の効果もあってか、浅野はひとまず筧と仲良くなっていきます。
その中で、浅野は同居人の従兄・浩幸と話しながら自分の気持ちを整理していくんだけど、この二人のやりとりが面白い。
浅野と筧のモノローグがとても多く、おそらく市川先生の作品の中でも文字量が多い作品だと思われますが、その反対に空白も効果的に多用されています。その配分が素晴らしい。計算されつくした空白なんだろーなー。
文字が多いと説明が多い、と嫌う人もいるとは思うけど、モノローグで面白いから全く気になりません。そして文字で全てを描き尽くすわけでもなく、その空白とか、表情とかで、繊細な感情とかは感じ取らせてくれます。うーん満足♪
バイト先の忘年会も、背中が物語ってるのがいいですねー。しかも、これよく分かるーみたいな。背中に全神経集めて相手の空気感を探るというか。このシーン好きです。
酔っ払い浅野を連れて帰る筧。帰り道から公園にかけてのシーンもいいですねー。本音ダダもれの浅野。このついうっかりの本音って作ってなくていいですよねー。
「もう いい加減認めろよ」「あんたもう 好きだろ 俺のこと」
そのままの流れで筧宅でエッチすることになるんだけど、この時の筧が「この人の気が変わんないうちに早く」って、なんだか健気で。
予定とは違う形のエッチだったけど、またその後の浅野の気持ちの確認とか。「ちゃんと言えよ」の表情が、あのツンデレ筧がこんな表情を!って嬉しくなっちゃいます。泣きそうになっちゃうし^^
ラストの持っていき方も素敵です。ふたりが無事結ばれてからの、ふたりの出逢いに遡って、筧の想い、そしてそれにタイトルを絡めて締める。好きですー、こういうの♪
描き下ろしは、翌日、従兄・浩幸に報告する浅野の噛み合わない会話(笑)と、バイト先でのふたりが描かれています。
みんなと一緒に筧が着替えている時に頭をなでる浅野がも~キュンとします( *´ 艸`*)
こちらも続編が出ておりますので、次回はそちら『ルッカットミー』をご紹介します。
参考になりましたでしょうか?