卒業生―春―(中村明日美子)
「俺が20歳に なったら 結婚して」「・・・はい」
◆攻め:草壁光(ギターリストな男子校3年生)
◆受け:佐条利人(真面目な男子校3年生)
◆エッチ:あり
◆属性など:おバカ攻め、クーデレ受け
◆評価:★★★★★
【あらすじ】
佐条の受験まであと数日。学校の帰り道、将来について草壁は「養子縁組とかすんでしょ」と浮かれて話すが、世間はそんなに甘くないと猛反発する佐条。仲直りする間もなく受験会場のある京都まで向かうと、先回りした草壁が待っていた。試験前日、初めて二人きりの夜を過ごすことになり…。
ゆれる青春時代の思い出を綴った人気シリーズ遂に完結!
【同時収録作品】
・お好みに焼く(描き下ろし?)
・卵を焼く(描き下ろし?)
・モチを焼く(描き下ろし?)
・鉄板で焼く(描き下ろし?)
【感想】
『同級生』シリーズ続編、『卒業生ー冬ー』の次巻、3巻にあたる今作。
佐条の家に草壁が来たところから始まります。
クールな顔していろんな感情を抱えている佐条。まずはさておき草壁に抱き着いてチャージします。「はい どうも」なんて照れ隠しというか、可愛いなー^^
夕飯弁当を持って来た草壁。卵焼きは草壁作なんだけど、明かさずに「卵焼きもあるから」×2なんてやんわりオススメしているのが可愛い(*´▽`*)
食べてから明かしたり、その後のリアクションが分かるーって感じでホント乙女で可愛い♪
予備校を休んで草壁とまったりする佐条。TV見てCMの曲について話したりして、目が合ってチューをして。平和な時間。そして、欲情を我慢して帰る草壁。
病室で鼻歌を歌っちゃう佐条。草壁効果ですね^^ 笑顔も出てきた佐条を見て、佐条母はピンときます。「彼女できた?」と訊かれてカミングアウトする佐条。
そして、佐条母に呼ばれて挨拶に伺う草壁。「(息子を)よろしくね」なんて言われて泣いちゃいます。この佐条母が素敵な人でねー、全く動じることなく草壁を受け入れて、「やるじゃない 利人」なんて言えちゃいます。
この時、草壁は佐条母にCDをプレゼントしますが、それはシュガー・ベイブの「SONGS」ってアルバム。
ジャケット的に海外のバンドかと思いきや日本のバンドなのね。調べちゃった^^ そしてこれもダウンロードすると思う(笑)
上記TVCMの曲はたぶん「DOWN TOWN」のようです。
「大丈夫?」って聞いちゃうのがイヤだと言う草壁。
「大丈夫」ってこたえるのがいいと言う佐条。
このやり取り、互いが想い合っているのが分かってなんだかいいシーンです。
手術の日、終わって病院前で待ち合せるふたり。この時の佐条の表情が!草壁にしか見せない表情なんだろーなー。草壁に勢いよく抱き着く佐条。お母さん無事で良かったねー(´_`。)
普段は仕事で海外にいる佐条父が会いたがっているという話から、「将来=結婚」の話となり、結婚を当たり前に考えている草壁と、楽観的すぎる!という佐条。言い合いになるふたり。
ちなみに、草壁はいつの間にか佐条母のことを「久美さん」と名前呼びしています(笑) メールとかしてそー^^
ケンカしている最中に佐条は大学受験のため京都に行きます。バイクで追いかけてくる草壁。男気あるなー。
「こないだ ごめんね」と謝りつつも「でも 根本的に俺は 間違ってないと思う」と言い切る草壁。さらなる男気を感じます。
一緒に大学の下見とお参りするふたり。佐条はだいぶお疲れです。
そして夜。佐条の方から誘ってくるんだけど、「メガネ・・・」と言っては中断し、草壁の付けたキスマークを見ると言っては中断し、そして「へん・・・かも」と言っては中断し、、、なんだけど、「見るなよ」と言って草壁のモノを見て口でしだした佐条。そんな佐条に対し、草壁はいろんなことが頭をよぎります。最終的には「ツルの恩返し」とか(笑)
佐条の顔に出してしまい落ち込む草壁。「フォロー」「フォロー」「フォロー」とクールな顔して考える佐条が笑えます。
結果、何もせず、手だけ繋いで寝るふたり。高校生らしくていいですね^^
キスしてハグして試験当日を迎えるふたり。佐条の首筋には草壁が付けたキスマークが咲いています。
合格。佐条は何年京都にいるんだろう。大学に4年、修士で2年、博士で3年、、、
そこへ草壁には南仏で行なわれるライブのサポートのお誘いが!佐条の一言で引き受ける草壁。
離れる1週間の間、互いのマフラーを交換するふたり。
卒業式当日、ぎりぎりで帰ってきた草壁。ふたりで卒業式をさぼり、ふたりの出逢い、2年生の時の教室に向かいます。
別れを惜しむふたり。抱き合うふたり。ふたりの泣き顔が素直で素敵です。
そしてふたりだけの卒業式ーーー。
いやー、最終話いいですねー!キュンキュンしますねー!青春ですねー!
「仰げば尊し」が流れてくるところなんてまるで映画のようですよ!
ラストの「同級生」に帰結する結び方もいいですねー!
このふたりなら遠恋も大丈夫でしょ!何かトラブルが起きても、きっと草壁がフットワーク軽く京都まで走って、気持ちをぶつけて解決できちゃうでしょ!
早く20歳になってもらいたいものです^^
ところで、、、どーでもいーことなんだけど、ここまでの3巻の中で、ガンダムネタがちょいちょい挟まれておりますが、中村先生ガンダムお好きなのかしら?
さて今作も、おそらく描き下ろしと思われるものがいくつか収録されております。
『お好みに焼く』
草壁の白目の友人・谷とお好み焼き屋さんに行くふたり。前作で谷が草壁のことで言ったことがホントなのかどうか、草壁と谷の不思議で微笑ましい関係性が分かるお話。
そして草壁と佐条のラブラブぶりが分かるお話^^
『卵を焼く』
卵焼きが好きなのは草壁。なのにいつの間にか佐条の好物みたいになっていることに気付く佐条。ここすごく好き。なんか似たもの夫婦になってきてるというか、ふたり一緒みたいな感じがイイ。
で、佐条が好きという目玉焼きを焼いて、妄想する原先生。。。
中村先生は原が好きなのかしら?もしくは原ファンが多いのかしら?私的には佐条と原のそういうのは、例え原の妄想だったとしてもいらんなー(ー_ー)
『モチを焼く』
お好み焼き屋さんからの帰り道かな?後日談かな?
小学校からの友人である草壁と谷のことを気にする佐条。それはヤキモチ、、、?なお話。
『鉄板で焼く』
先生方でBBQなのかな?佐条を想ってしんみりする原先生と、慰める橋本先生のお話。
ひとまずこれで完結となりますが、このほかにもスピンオフやら続編やらが出ておりますので続けてご紹介していきます。
原先生の細かいちょっかいと、それを受け流さない佐条が気になって★4つに留めておりましたが、今作は最終話の素晴らしさで文句なしの★5つです^^
参考になりましたでしょうか?