はやとのBL読書感想日記

「はやと」と申します。読んだBL作品について、気ままに感想を書いていきます。皆様の参考になればいいなぁ。

空と原(中村明日美子)

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「自分の気持ちより 大切なもんだって あるでしょ!?」

「うそじゃない ですよね?」

「今 あなたが彼と 向き合わなくて どうするんです?」

 

◆攻め:攻受不明/青砥空乃(原が勤める男子校の1年生)
◆受け:攻受不明/原学(37歳の男子校音楽教師)
◆エッチ:なし
◆属性など:ワンコ攻め、ヘタレ受け
◆評価:★★★★★

 

【あらすじ】

原学、37歳、男子校教師、独身、「生徒には絶対手を出さない」というポリシーを持つ男。3年間の片想いから脱するために訪れたゲイの集まるクラブで若い男に出会う。後に彼は、原が勤める学校の新入生、ソラノだと分かり…??

不器用なオトナ、永遠のアテ馬と呼ばれる原先生に春は来るか!? 


【同時収録作品】

ツーブロック(番外編)

・アンド、キス(番外編)

 

【感想】

絵本のような表紙が印象的な今作。幸せが滲み出てくるようです。メインふたりになぞらえたタイトルもいいですね。

『同級生』シリーズのスピンオフ。あの原先生のお話です。

 

良かったね、原先生♪ 相手が佐条じゃなければいいのよ(笑) でもまーだ佐条にちょっかいかけてくるんだけどー。それにのっかる佐条も佐条だよ(ー_ー)

それにしても、あらすじにある「永遠のアテ馬」ってツライ^^;

 

今作はサブタイトルが特徴的です。

「Hara to Sora」

話表紙のソラノが無邪気で天真爛漫でいいですね。草壁と似てるようでもっと無邪気さが強い感じがよく表れています。可愛い。 

佐条が卒業してすっかり抜け殻状態の原は、3年ぶりにゲイバーへ赴きます。プライベートモードの原は、先生モードのむさい感じと違ってオールバックでちょっとセクシー。

そこで出逢うのがソラノ。ホテルに行くのだけど、いざという時に佐条のことを思い出して逃げ帰ってきます。

で、高校で出逢うのも新入生のソラノ。つまり15歳!キャーッ大変w(*゚o゚*)w そりゃ可愛い訳だ^^;

そこに現れる佐条。二人の様子を見て察するソラノ。連絡先を交換します。人懐こい子やねー^^;

佐条の連絡先を原に教えようとするソラノだけど、原はそれを拒みます。拒みますが一瞬にして「やっぱメアドだけ教えて」なんて揺らぎます、はぁ~ぁ(ー_ー; 

けーどー、ソラノは思うところあってか教えず、、、 

こうしてふたりの物語が始まったわけだけど、もう相変わらず思わせぶりというかな態度の佐条めー!君は草壁一筋ラブラブしてればいいんだって ヾ(*`Д´*)ノ"

 

「Otona to Kodomo」

話表紙のソラノがやっぱり無邪気そうで可愛い(*^_^*) まぁ子どもの可愛さなんだろうな。15歳だもんな。 そんなソラノも中学生の時に切ない恋があったようです。

ゲイバーにソラノがいる連絡を受け、悪い輩にクスリを勧められているところにつっかけサンダル、スウェット姿で現れる原。

公園での漫才みたいなふたりのやり取りが面白い^^

でー、ソラノが原にけしかけるわけですよ。佐条もまんざらではない、デートしてみては?と。

 

「Hara to Sajou」

でー、ソラノの手配でデートをするわけですよ、原と佐条が ヾ(。`Д´。)ノ

佐条は「デート」だって分かってて話を受けてるわけですよ ヾ(*`Д´*)ノ"

私のイライラMAX! 

いや、分かってますよ、佐条は草壁が好きだってことは。草壁も分かってるってのも。でもこういうのはイヤーーー!! 

二人で思い出話なんかしちゃって、佐条は頬赤らめちゃって!過去のこととはいえイヤー。゜゜(´□`。)°゜。

後をつけてるソラノと草壁。草壁にしてみたら面白くないよね!しかも遠恋の貴重な1日を!

 

「Sorano to Fujino」

原の過去の清算が終わった後は、今度はソラノ。中学生時代好きだったフジノが交流試合でソラノの高校に来ます。

再会した二人。彼女が出来たと嘘をつくソラノ。そんな二人のやり取りを見守る原。に気付くソラノ。想いを伝えろと言う原にソラノは叫びます。 

「自分の気持ちより 大切なもんだって あるでしょ!?」

 いつもはへらへらしているソラノが見せた心の底からの叫び。悲鳴に近いのかな。ここ泣けます (T_T)

そんなソラノの頭をくしゃっとする原。そこへ現れたのが、、、

 

「Hara to Arisaka」

原の高校生時代、もにゃっとしたお相手、化学の有坂先生。原の勤める高校に一時的に赴任することに。

いち早くただならぬ空気感を察知するソラノ。

有坂は娘が生まれた後奥さんとは離婚していました。昔の原とのことで自分がゲイだと認識したのがきっかけのようです。原は原で有坂とのことがきっかけで自分がゲイだと気付いたみたい。あそこで有坂が勇気を出していたらねー、なんて。 

そんな有坂は元教え子のヒビキと交際中。それを知った原は独り酒です。そこにソラノが連絡してきて、、、

あー、ホントこの二人が上手くいってたらねー。残念(´Д`)

 

「Sora to YOPPARAI」

酔っ払いの原を家まで送り届けるソラノ。もうね、ここのふたりのやり取りがホント面白い。ザ・酔っ払いの原が最高!たまに切なくなるんだけどね。 

またしてもただならぬ感じを察知したソラノは、原を背中からハグして眠りにつきます。ここのふたりの微妙な空気感がいいです。

部屋をきれいに掃除してあげるソラノ。原は「できたての彼女かよ」とツッコミを入れていますがよくできた子です^^ でも今さら原のことが好きかもとか慌てだすソラノ^^; 

そして原が学校に出勤してみると、そこには殴られた顔の有坂が、、、 

 

「 Sora to Hara」

DV!?と疑う原。とそこへ有坂の携帯に電話が。途中で切れた電話に走り出す有坂。それを追う原!

この時我を忘れた有坂と、教師としてきちんと自習の対応を取ったりする原が対照的で、原のあくまでもモラリストな姿を見て「あぁ、この人幸せになるの下手だな」「だから永遠のアテ馬とか言われちゃうんだな」と思った私^^; 

同時進行でソラノの方でもトラブルがあって、コマツの服のモデルをしている子と連絡が取れないという。その子の名前はヒビキ。

駅で遭遇するソラノと原。そう、ふたりが向かう先は一緒。モデルもしている有坂の恋人・ヒビキの元へ。

 

そこではヒビキの母親と有坂、そしてヒビキを加えた3人の壮絶なやり取りが繰り広げられていました。

この時の原がめちゃくちゃかっこいいです。大人であり、教師であり、元生徒でもあり、男でもあり、、、

 

そんな原を見て、原の代わりのように涙を流すソラノ。 

「あの人のこと 好きだったん でしょ」 

「あんたの幸せは なんなんだよ!!」

「さびしそーに 笑うなよ!!」

 

浜辺を逃げるソラノと追いかける原。倒れ込んでキスするふたり。浜辺をゴロンゴロンして海に濡れるふたり。

「俺 先生のこと 好きだ」

「俺が 先生のこと 幸せにしてやるよ」

「二人で 幸せに なろうよ」

恐るべし15歳!こんなことが言えちゃうなんて!

いろいろ考えすぎちゃう大人な原にはソラノがぴったりですね!

あー原先生良かったねー^^ もう佐条にちょっかいかけんなよー(笑)

 

そして描き下ろしなのかなー?な番外編が2作。

 『ツーブロック

 原と、ゲイ友・コマツの若かりしゲイバーデビューの頃のお話。

 ちなみに、コマツはオネエで服飾系のお仕事をしています。

 

『アンド、キス』

原と佐条のデートの日。原と別れた後の佐条を迎える草壁の話。あーもーホントに。。。

でも、これ読んで気付いたのが、佐条って草壁の前でしか顔が崩れないのよね。笑顔とかそういった甘い顔だけでなく、慌てたりとか怒ったりとか、そういったことも草壁にだけなんだなー、と。原にもないからねー、そういうのは。ってことにほっこりする私。

 

佐条とのことがあったから悩んだけど、ラスト原がカッコ良かったので★5つ!


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