はやとのBL読書感想日記

「はやと」と申します。読んだBL作品について、気ままに感想を書いていきます。皆様の参考になればいいなぁ。

O.B.2(中村明日美子)

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「なんで あやまるの そのコに 失礼じゃない」

「なにもかもは 無理でしょ」

「はー・・・大好き」

 

◆攻め:草壁光(ミュージシャン)/攻受不明・佐野響/攻受不明・青砥空乃
◆受け:佐条利人(京都の大学1年生)/攻受不明・有坂悟志/攻受不明・原学
◆エッチ:あり
◆属性など:<響と有坂>ヘタレ受け
◆評価:★★★★★

 

【あらすじ】

『同級生』『卒業生』の草壁と佐条、『空と原』のハラセンとソラノ、その他、 コマっちゃんや有坂&響など、〈同級生シリーズ〉を彩る魅力的なキャラたちの“その後”を描いた待望の続編『O.B.』が、2冊同時発売で堂々の完結!! 

 

【感想】

『O.B.1』と同時発売の『O.B.2』。大人気『同級生』シリーズの完結巻です。

こちらの表紙もオールスター大集合です。1でも2でも、草壁と佐条の距離感がたまらないですね^^

 

「#4後編<響と有坂>」

『O.B.1』では「#4前編<有坂と響>」となっていましたが、今回は<響と有坂>になっています。

 前編は話表紙も有坂で、どちらかというと有坂視点で過去も現在も語られていますが、後編は話表紙も響で、どちらかというと響視点で語られています。

そしてこの回も同じく、上記ふたりの現在と過去が交互に織り交ぜて話が進んでいきます。

 

カフェで娘・みずきと会う有坂。有坂の現在の話になり、響を呼び寄せる有坂。娘に真実を告げます。

「ごめん・・・」と娘に謝る有坂。ここでのみずきの一言が素晴らしい。

「なんで あやまるの そのコに 失礼じゃない」

でもこれはきっと、自分(みずき)にも失礼、という思いが込められてるんじゃないかな。

同性が好きという理由で奥様と別れた有坂。その理由である同性(響)について謝るということは、女性との間で生まれてきた自分(みずき)を否定されているように感じたんじゃないかな。

カフェを飛び出すみずき。後を追ってそれでもなお謝る有坂。最後に「ありがとう・・・」と伝える有坂。これはたぶん「生まれてきてくれてありがとう」。

それを見守る響。

家に帰ってきて電話で話す有坂と元奥様。それを聞いていた響は、復縁したいか尋ねます。

「俺といると いろいろ あきらめる ことになる 気が して」

 

有坂「僕の しあわせは 君だ」 

 

高校卒業間近、プリンを作って有坂の元へ行った響。

「会えなく なるんですか」「もう 会えないん ですか」「俺 もっと」

 

響「ずっと 一緒に」

 

想いが重なるふたり。そしてーーー。

ようやく、本当の意味でのハッピーリスタートって感じですかね^^

危なっかしいふたりだけど、響の方がしっかりしているので大丈夫かな。

 

「#4.5<草壁と佐条>」

2日目の夜。こたつでイチャついていたその日の夜です。お布団でエッチ後のふたり。

寝落ちしていた佐条が目覚めて開口一番「寝た?(寝ちゃった?)」と慌ててるのに愛を感じます。

それを察して「ちゃんと 終わってから 寝たよ」と答える草壁にも愛を感じます^^

草壁「水飲む?」

佐条「・・・ありがとう」

草壁「イイエー」

このちょっとした会話にも愛が感じられますよね?こんな感じでもう全てに愛情がダダもれてるのよねー。

 

明日帰ることを背中文字で伝える草壁。口ではツラくて言えなかったんだろうね(T_T)

ちなみに、この時、『同級生』の中で原視点で語られた高校入学式で草壁が見せた「ヨーダの顔」をして見せるのが、『同級生』シリーズファンの萌えポイントかと^^

瞬時に涙を滲ます佐条。あー切ない(T_T)

胡麻化すためにトイレに行くという佐条。それに気付いて後を追う草壁。

 

草壁「泣いてる?」

佐条「女子供じゃ ないんだから」

浴衣姿で戦前の日本男児のような言い方(←笑)で強がる佐条。そんな佐条に「好きだ」と囁く草壁。優しい(*T^T*)

 

草壁「泣いて ないの?」

佐条「泣いて ない・・・」

ここでなおも訊いてくる感じもあまあまでいいですよねー。

優しくチューをしていたかと思ったら、いきなりワルツのようなダンスを踊り出す草壁。おかしくて笑いだしつつもそんな時間を愛おしむふたり。。。

 

遠距離恋愛である以上ついて回る離れる淋しさをいかにやり過ごしているか、せつな甘いストーリーの中でふたりの強さが見られるエピソードです。

 

「#5<空乃とフジノ>」

20歳になっている空乃とフジノ。つまり<草壁と佐条><響と有坂>よりも数年未来に進んでるお話。

空乃はモデルとして駆け出し中といったところ。フジノは営業です。

久しぶりに会って昔を懐かしむ、少し切ないストーリーなんだけど、今は昔話として微笑むことのできる空乃。だって空乃にはもう原がいるからね♪

フジノと会ったその直後、待ち合わせしていた原と逢ったら、髪の毛切ってて「やばい!!」と大興奮^^

 

「#6<原と空乃>」

で、ホテルにいるふたり。ヘタレな原は「生徒」「未成年」を理由にエッチを拒み続け、今度はポジション争い(笑) そりゃソラノもキレるよ^^;

ホントこのふたりの漫才みたいなやり取り好きだわー。

原の「(穴について)正しい使い方しかしてねーわ!!」がヾ(≧▽≦)ノ

 

と思ったら今度はシリアスモードで、親へのカミングアウトのお話へ。

母親は他界しており、真実を伝えられなかったことを悔いる原は、年老いた父親へのカミングアウトを決意します。

対して、悩みの片棒をかつがせるようで嫌だと反対するソラノ。

 

ラスト、駅ビルの中、人目もはばからず、「・・・お前がいて よかったよ」「お前が」「いてくれて」とソラノを抱きしめる原。

なんというか、すごく原にぴったりな、せつなくて、苦いけど、あまい。そんなラストシーン。

素敵です。

 

「#7<光と利人>」

おおとりです。サブタイトルをご覧下さいよ!<草壁と佐条>ではないのですよ!名前呼びですよ!これだけで期待大ですよね(*゚∀゚*)

 

3日目の朝。包丁の音ではないけど、朝食の準備、コーヒーメーカーの音が響く中、佐条が草壁を起こします。

もうね、ここから愛情ダダもれですよ。実は起きてたけど佐条に起こされるのを待ってた草壁とか、おはようのチューを1度は拒みつつも後ろから首筋にチューする佐条とか( *´艸`*)

土間でじゃれる草壁もいいですねー。

「一緒に住んだら 俺 バターがいいな」

バターとマーガリン。何気ない会話の中にも、約束した結婚への希望が滲み出てていいですね^^

 

とそこへ、あの白目・谷のデキ婚報告が!いいパパになりそー♪

子ども、、、佐条の仄暗い気持ちを汲み取る草壁。

 

ここからの草壁のセリフがとても素敵で、ある意味2度目のプロポーズですね。

「なにもかもは 無理でしょ」「佐条は 欲張りだなあ」

「幸せになる 自信あるし」「幸せにする 自信 も あるよ」

 

そんな草壁に対し、佐条も

「20歳に なったら」「結婚してください」

「僕からも 言いたくなっちゃったから 言っちゃった」

 

草壁「はー・・・大好き」

佐条「僕も」

私もだよーって言いたくなります^^; いや言いました(笑)

 

この「大好き」が溢れてる感じがいいですね。

「愛してる」でも違くて、もっとピュアな感じ。

 

そして、ラスト。

京都に来てからずっと何かを言いかけていた草壁。

「今度から 下の名前で 呼んでいい?」「そのうち おんなじ名字に なるわけだ し」

言い逃げしようとする草壁(笑) 呼び止める佐条。

「光」「き 気をつけて」

「り・・・利人も」

 

ここ、すごく重要なシーンだと思うんです。

単に名前呼びすることだけじゃなく、それが「佐条から」ということ。

今まで何か事が大きく動く時って、全て草壁からによるものだったんですよね。

それが言い出したのは草壁からだったとしても、実際に行動に移したのが佐条というのが、すごく重要だと思うんです。

大人になったね、佐条(*T▽T*)

 

青空には「同級生」だった頃のふたりが映し出されています。
これまた映画のようなラストシーン。。。

 

そして、これだけでは終わりません。

この後に続く、作者・中村明日美子先生のあとがき含めてのラストシーンだと思います。

ちなみに、各話ごとのページ裏余白に描かれている絵にもすごく意味が込められていて、それらも含めての作品だと思います。

とてもすがすがしい気分になる作品、大満足の★5つです。

 

参考になりましたでしょうか?

O.B.1(中村明日美子)

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「肌色という肌色 吐きだす呼気さえも 淡くピンクに 染まっているような」

「お母さんの 作った・・・なんていうか 心のこもった もので 佐野君は 大きくなったんだね」

 

◆攻め:草壁光(ミュージシャン)/竜一/攻受不明・佐野響
◆受け:佐条利人(京都の大学1年生)/小松/攻受不明・有坂悟志
◆エッチ:あり
◆属性など:<小松と竜一>で女性とのエッチあり
◆評価:★★★★★

 

【あらすじ】

『同級生』『卒業生』の草壁と佐条、『空と原』のハラセンとソラノ、その他、 コマっちゃんや有坂&響など、〈同級生シリーズ〉を彩る魅力的なキャラたちの“その後”を描いた待望の続編『O.B.』が、2冊同時発売で堂々の完結!!

 

【同時収録作品】

・ガールズトーク(描き下ろし) 

 

【感想】

『同級生』シリーズの完結編です。今まで登場したキャラの総まとめみたいな、そんな1冊、というか2冊。 

表紙がいいですね!それぞれ世代の違うキャラたちが同じクラスに集まってる、夢のような世界。そこからしてこの完結編に込められた想いというか、意気込みが感じられます。

そして、各話の並び、構成がいいですね。各話の間にメインキャラである草壁と佐条の物語を挟んで、キャラごとの過ごしている時間軸が少しズレてる部分を補いつつ、『同級生』から始まった世界観をつないでいます。

だからこそ、「お?」という内容が入り込んでも強い違和感は感じずに済んでいるのでしょう。そして、あの『卒業生ー春ー』と同じような読後感が味わえるのだと思います。

 

「#1<草壁と佐条>」

遠距離恋愛中のふたり。草壁が佐条と過ごすため京都にやってきますが、、、

1日目。大学の発表準備に追われる佐条の横で、寄り添うように大人しく待っている草壁。特に何をするでもなく、特に何を話すでもなく、こたつで一緒に時間を過ごすだけのふたり。

でもね、この空気感がいいんですよ。高校生の時には無かったものというか、ふたりとも大人になったな、というか絆が感じられます。

ひたすらPCに向かう佐条と、そんな佐条の邪魔にならないよう気遣う草壁。ふたりともようやく逢えて感情を爆発させたいであろうに、その場の感情に流されず、佐条は本分を全うしようとするし、草壁はそれを尊重する。そんなふたりの真面目な姿からふたりの真摯な想いが分かるし、互いを理解している絆が感じられます。

だってね、ここで流されるようだったら、そもそも何のために草壁と離れてまで京都の大学に進学したんだって話ですからね。

1つ1つのセリフや動作、目線とかにも互いの愛情が感じられます。なんていうか全てのコマから愛情がダダもれてるんですよねー。滲むじゃなくダダもれ。分かりやすいチューとかハグじゃないのだけども、ずーーーっと愛情がダダもれてるの。あー、読んで欲しい(笑)

夜中、ひとりでPCに向かう佐条。2階にいる草壁を想ってもうひと頑張り!な描写から、この夜だけでなく、常にそんな感じで遠く離れた草壁を想って頑張ってるんだろうなー、と想像できます。

そして明け方、草壁が目を覚ますと同じ布団の中に潜り込んで寝ている佐条が。

この時、抱き着く佐条と、「おつかれ おつかれ」と佐条の頭をわしゃわしゃする草壁が愛おしいですね。

足を絡めながら「発表・・・午後の講義なんだ」と暗に誘う佐条。

この『O.B.』ではふたりが足を絡めているコマが多用されていますが、足で物語るって好きです。足を絡めるのって、ラブラブじゃない限りしないと思うので萌えます^^

 

「#2<佐条と城ノ崎>」

この城ノ崎は佐条の大学の友人(♂)で、入試の時の佐条のキスマークに気付いていて、そのことから親しくなっていくのだけど、ここにもまた佐条の色気にやられてしまった男が一人、、、というお話(笑) ちなみに佐条は女の子にもモテモテです。

でもご安心ください。佐条は草壁のことを城ノ崎にも、告白してきた女の子にもしっかりカムアウトしております。こういったところも高校生時代とは違うところですね。あの頃は「普通」であることを気にしていましたからね。

ラスト、城ノ崎が見た「草壁といる佐条」の表現がとても好きです。

「首筋どころか 肌色という肌色 吐きだす呼気さえも 淡くピンクに 染まっているような」

原先生から見た佐条もこんな風に見えていたんだろうなー^^

にしても、佐条は高校生の頃から無防備すぎるよなー。草壁も苦労するなー(笑)

 

「#2.5<草壁と佐条>」

そして、2日目の朝。「発表・・・午後の講義なんだ」の後のふたり。佐条が大学に行くのを草壁が見送るまでのお話。も~~~ラブラブです♡

見送るときにチューをせがむ草壁ですが、それに対し「お前は いちいち 長くなるから」と照れる佐条。いちいち長く、、、ウケる^^ そしてそれに対する草壁の「いけずやわーーー」(笑)

 

「#3<小松と竜一>」

冒頭、「え?ホラー!?事件!?サスペンス!?これだけ別の話!?」と私をパニックにさせるほどのコマツの目の表情、モノローグから始まります。

あのコマっちゃんにこんな過去がねー、と思うと同時に、こんなフューチャーされるほど影なる人気があったのかしら?と思いました^^;

なかなかな過去を持つコマっちゃん。竜一がクズすぎて、女性とのエッチもありで地雷な人が多いかもしれません。

 

「#3番外編<ガールズトーク>」

上記で登場した女性とコマっちゃんが竜一についてガールズトークしているお話。

ちなみに、表紙右真ん中にいるのがコマっちゃん。可愛い^^

 

「#3.5<草壁と佐条>」

2日目夕方頃かな、発表を終えて大学から帰ってきた佐条を、ポテトグラタンを作って迎える草壁。

「あーん」し合うふたり。これも高校生時代には難しかっただろうなーと。

そのままこたつでまったりするふたり。このシーンもいいんだよなー♪

買い物に出ようという草壁に「もう 出たくない なあ・・・」と頬を赤らめながらズルズルこたつに潜り込む佐条。そして足を絡め合うふたり。。。

もーーー佐条の誘い方が可愛いすぎ( *´艸`*)

ちなみに、このポテトグラタンの作り方が記載されているので、ふたりが食べた同じ味をみなさんも食べられます(笑)

 

「#4前編<有坂と響>」

『O.B.2』へと前編後編で続く、『空と原』で登場した教師と元教え子カップルのお話。

このふたりは『空と原』でもそうでしたが、前途多難というか、草壁と佐条と違って常に影を伴う印象が私の中でありますが、今回もなんだか大変そう(´д`)

とりあえず順調なお付き合いをしているようなふたり。互いに名前呼びで、響の作ったプリンを有坂の家で食べてまったり過ごすのも日常になっている様子。

でも清い交際のまま、お泊りもエッチもなし、12時前には帰される響。

そんな中で有坂の娘が結婚するので有坂に会いたいという連絡が元奥様から入ります。

それをしっかり受け止める響。ふたりでその日の服を買いに行ったり、心強い言葉を送ったりして、やや狼狽える有坂を応援します。有坂も感じてるけど、しっかりしたいい大人に成長していますね。

 

この回では、上記ふたりの現在と過去が交互に織り交ぜて話が進んでいきますが、ふたりは響が高校3年生の時、有坂が進路指導担当ということで出逢います。

調理師専門学校の製菓を目指すという響。響が焼いたクッキーを食べる有坂。

「お母さんの 作った・・・なんていうか 心のこもった もので 佐野君は 大きくなったんだね」

有坂のこのセリフは普通にグッときますが、彼にとっては離れて暮らす娘のことも思い出しての一言ですね。徐々に心が動き出す響。。。

 

有坂が娘と会う当日。有坂を送り出す響。すれ違う娘。

というところで次巻へ!

 

参考になりましたでしょうか?

空と原(中村明日美子)

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「自分の気持ちより 大切なもんだって あるでしょ!?」

「うそじゃない ですよね?」

「今 あなたが彼と 向き合わなくて どうするんです?」

 

◆攻め:攻受不明/青砥空乃(原が勤める男子校の1年生)
◆受け:攻受不明/原学(37歳の男子校音楽教師)
◆エッチ:なし
◆属性など:ワンコ攻め、ヘタレ受け
◆評価:★★★★★

 

【あらすじ】

原学、37歳、男子校教師、独身、「生徒には絶対手を出さない」というポリシーを持つ男。3年間の片想いから脱するために訪れたゲイの集まるクラブで若い男に出会う。後に彼は、原が勤める学校の新入生、ソラノだと分かり…??

不器用なオトナ、永遠のアテ馬と呼ばれる原先生に春は来るか!? 


【同時収録作品】

ツーブロック(番外編)

・アンド、キス(番外編)

 

【感想】

絵本のような表紙が印象的な今作。幸せが滲み出てくるようです。メインふたりになぞらえたタイトルもいいですね。

『同級生』シリーズのスピンオフ。あの原先生のお話です。

 

良かったね、原先生♪ 相手が佐条じゃなければいいのよ(笑) でもまーだ佐条にちょっかいかけてくるんだけどー。それにのっかる佐条も佐条だよ(ー_ー)

それにしても、あらすじにある「永遠のアテ馬」ってツライ^^;

 

今作はサブタイトルが特徴的です。

「Hara to Sora」

話表紙のソラノが無邪気で天真爛漫でいいですね。草壁と似てるようでもっと無邪気さが強い感じがよく表れています。可愛い。 

佐条が卒業してすっかり抜け殻状態の原は、3年ぶりにゲイバーへ赴きます。プライベートモードの原は、先生モードのむさい感じと違ってオールバックでちょっとセクシー。

そこで出逢うのがソラノ。ホテルに行くのだけど、いざという時に佐条のことを思い出して逃げ帰ってきます。

で、高校で出逢うのも新入生のソラノ。つまり15歳!キャーッ大変w(*゚o゚*)w そりゃ可愛い訳だ^^;

そこに現れる佐条。二人の様子を見て察するソラノ。連絡先を交換します。人懐こい子やねー^^;

佐条の連絡先を原に教えようとするソラノだけど、原はそれを拒みます。拒みますが一瞬にして「やっぱメアドだけ教えて」なんて揺らぎます、はぁ~ぁ(ー_ー; 

けーどー、ソラノは思うところあってか教えず、、、 

こうしてふたりの物語が始まったわけだけど、もう相変わらず思わせぶりというかな態度の佐条めー!君は草壁一筋ラブラブしてればいいんだって ヾ(*`Д´*)ノ"

 

「Otona to Kodomo」

話表紙のソラノがやっぱり無邪気そうで可愛い(*^_^*) まぁ子どもの可愛さなんだろうな。15歳だもんな。 そんなソラノも中学生の時に切ない恋があったようです。

ゲイバーにソラノがいる連絡を受け、悪い輩にクスリを勧められているところにつっかけサンダル、スウェット姿で現れる原。

公園での漫才みたいなふたりのやり取りが面白い^^

でー、ソラノが原にけしかけるわけですよ。佐条もまんざらではない、デートしてみては?と。

 

「Hara to Sajou」

でー、ソラノの手配でデートをするわけですよ、原と佐条が ヾ(。`Д´。)ノ

佐条は「デート」だって分かってて話を受けてるわけですよ ヾ(*`Д´*)ノ"

私のイライラMAX! 

いや、分かってますよ、佐条は草壁が好きだってことは。草壁も分かってるってのも。でもこういうのはイヤーーー!! 

二人で思い出話なんかしちゃって、佐条は頬赤らめちゃって!過去のこととはいえイヤー。゜゜(´□`。)°゜。

後をつけてるソラノと草壁。草壁にしてみたら面白くないよね!しかも遠恋の貴重な1日を!

 

「Sorano to Fujino」

原の過去の清算が終わった後は、今度はソラノ。中学生時代好きだったフジノが交流試合でソラノの高校に来ます。

再会した二人。彼女が出来たと嘘をつくソラノ。そんな二人のやり取りを見守る原。に気付くソラノ。想いを伝えろと言う原にソラノは叫びます。 

「自分の気持ちより 大切なもんだって あるでしょ!?」

 いつもはへらへらしているソラノが見せた心の底からの叫び。悲鳴に近いのかな。ここ泣けます (T_T)

そんなソラノの頭をくしゃっとする原。そこへ現れたのが、、、

 

「Hara to Arisaka」

原の高校生時代、もにゃっとしたお相手、化学の有坂先生。原の勤める高校に一時的に赴任することに。

いち早くただならぬ空気感を察知するソラノ。

有坂は娘が生まれた後奥さんとは離婚していました。昔の原とのことで自分がゲイだと認識したのがきっかけのようです。原は原で有坂とのことがきっかけで自分がゲイだと気付いたみたい。あそこで有坂が勇気を出していたらねー、なんて。 

そんな有坂は元教え子のヒビキと交際中。それを知った原は独り酒です。そこにソラノが連絡してきて、、、

あー、ホントこの二人が上手くいってたらねー。残念(´Д`)

 

「Sora to YOPPARAI」

酔っ払いの原を家まで送り届けるソラノ。もうね、ここのふたりのやり取りがホント面白い。ザ・酔っ払いの原が最高!たまに切なくなるんだけどね。 

またしてもただならぬ感じを察知したソラノは、原を背中からハグして眠りにつきます。ここのふたりの微妙な空気感がいいです。

部屋をきれいに掃除してあげるソラノ。原は「できたての彼女かよ」とツッコミを入れていますがよくできた子です^^ でも今さら原のことが好きかもとか慌てだすソラノ^^; 

そして原が学校に出勤してみると、そこには殴られた顔の有坂が、、、 

 

「 Sora to Hara」

DV!?と疑う原。とそこへ有坂の携帯に電話が。途中で切れた電話に走り出す有坂。それを追う原!

この時我を忘れた有坂と、教師としてきちんと自習の対応を取ったりする原が対照的で、原のあくまでもモラリストな姿を見て「あぁ、この人幸せになるの下手だな」「だから永遠のアテ馬とか言われちゃうんだな」と思った私^^; 

同時進行でソラノの方でもトラブルがあって、コマツの服のモデルをしている子と連絡が取れないという。その子の名前はヒビキ。

駅で遭遇するソラノと原。そう、ふたりが向かう先は一緒。モデルもしている有坂の恋人・ヒビキの元へ。

 

そこではヒビキの母親と有坂、そしてヒビキを加えた3人の壮絶なやり取りが繰り広げられていました。

この時の原がめちゃくちゃかっこいいです。大人であり、教師であり、元生徒でもあり、男でもあり、、、

 

そんな原を見て、原の代わりのように涙を流すソラノ。 

「あの人のこと 好きだったん でしょ」 

「あんたの幸せは なんなんだよ!!」

「さびしそーに 笑うなよ!!」

 

浜辺を逃げるソラノと追いかける原。倒れ込んでキスするふたり。浜辺をゴロンゴロンして海に濡れるふたり。

「俺 先生のこと 好きだ」

「俺が 先生のこと 幸せにしてやるよ」

「二人で 幸せに なろうよ」

恐るべし15歳!こんなことが言えちゃうなんて!

いろいろ考えすぎちゃう大人な原にはソラノがぴったりですね!

あー原先生良かったねー^^ もう佐条にちょっかいかけんなよー(笑)

 

そして描き下ろしなのかなー?な番外編が2作。

 『ツーブロック

 原と、ゲイ友・コマツの若かりしゲイバーデビューの頃のお話。

 ちなみに、コマツはオネエで服飾系のお仕事をしています。

 

『アンド、キス』

原と佐条のデートの日。原と別れた後の佐条を迎える草壁の話。あーもーホントに。。。

でも、これ読んで気付いたのが、佐条って草壁の前でしか顔が崩れないのよね。笑顔とかそういった甘い顔だけでなく、慌てたりとか怒ったりとか、そういったことも草壁にだけなんだなー、と。原にもないからねー、そういうのは。ってことにほっこりする私。

 

佐条とのことがあったから悩んだけど、ラスト原がカッコ良かったので★5つ!


参考になりましたでしょうか?

卒業生―春―(中村明日美子)

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「俺が20歳に なったら 結婚して」「・・・はい」

 

◆攻め:草壁光(ギターリストな男子校3年生)
◆受け:佐条利人(真面目な男子校3年生)
◆エッチ:あり
◆属性など:おバカ攻め、クーデレ受け
◆評価:★★★★★

 

【あらすじ】

佐条の受験まであと数日。学校の帰り道、将来について草壁は「養子縁組とかすんでしょ」と浮かれて話すが、世間はそんなに甘くないと猛反発する佐条。仲直りする間もなく受験会場のある京都まで向かうと、先回りした草壁が待っていた。試験前日、初めて二人きりの夜を過ごすことになり…。

ゆれる青春時代の思い出を綴った人気シリーズ遂に完結!

 

【同時収録作品】

・お好みに焼く(描き下ろし?) 

・卵を焼く(描き下ろし?)

・モチを焼く(描き下ろし?)

・鉄板で焼く(描き下ろし?)

 

【感想】

『同級生』シリーズ続編、『卒業生ー冬ー』の次巻、3巻にあたる今作。 

佐条の家に草壁が来たところから始まります。

 

クールな顔していろんな感情を抱えている佐条。まずはさておき草壁に抱き着いてチャージします。「はい どうも」なんて照れ隠しというか、可愛いなー^^

夕飯弁当を持って来た草壁。卵焼きは草壁作なんだけど、明かさずに「卵焼きもあるから」×2なんてやんわりオススメしているのが可愛い(*´▽`*)

食べてから明かしたり、その後のリアクションが分かるーって感じでホント乙女で可愛い♪

予備校を休んで草壁とまったりする佐条。TV見てCMの曲について話したりして、目が合ってチューをして。平和な時間。そして、欲情を我慢して帰る草壁。 

 

病室で鼻歌を歌っちゃう佐条。草壁効果ですね^^ 笑顔も出てきた佐条を見て、佐条母はピンときます。「彼女できた?」と訊かれてカミングアウトする佐条。

そして、佐条母に呼ばれて挨拶に伺う草壁。「(息子を)よろしくね」なんて言われて泣いちゃいます。この佐条母が素敵な人でねー、全く動じることなく草壁を受け入れて、「やるじゃない 利人」なんて言えちゃいます。

この時、草壁は佐条母にCDをプレゼントしますが、それはシュガー・ベイブの「SONGS」ってアルバム。

ジャケット的に海外のバンドかと思いきや日本のバンドなのね。調べちゃった^^ そしてこれもダウンロードすると思う(笑)

上記TVCMの曲はたぶん「DOWN TOWN」のようです。

 

「大丈夫?」って聞いちゃうのがイヤだと言う草壁。

「大丈夫」ってこたえるのがいいと言う佐条。

このやり取り、互いが想い合っているのが分かってなんだかいいシーンです。

 

手術の日、終わって病院前で待ち合せるふたり。この時の佐条の表情が!草壁にしか見せない表情なんだろーなー。草壁に勢いよく抱き着く佐条。お母さん無事で良かったねー(´_`。)

 

普段は仕事で海外にいる佐条父が会いたがっているという話から、「将来=結婚」の話となり、結婚を当たり前に考えている草壁と、楽観的すぎる!という佐条。言い合いになるふたり。 

ちなみに、草壁はいつの間にか佐条母のことを「久美さん」と名前呼びしています(笑) メールとかしてそー^^

 

ケンカしている最中に佐条は大学受験のため京都に行きます。バイクで追いかけてくる草壁。男気あるなー。

「こないだ ごめんね」と謝りつつも「でも 根本的に俺は 間違ってないと思う」と言い切る草壁。さらなる男気を感じます。

一緒に大学の下見とお参りするふたり。佐条はだいぶお疲れです。

 

そして夜。佐条の方から誘ってくるんだけど、「メガネ・・・」と言っては中断し、草壁の付けたキスマークを見ると言っては中断し、そして「へん・・・かも」と言っては中断し、、、なんだけど、「見るなよ」と言って草壁のモノを見て口でしだした佐条。そんな佐条に対し、草壁はいろんなことが頭をよぎります。最終的には「ツルの恩返し」とか(笑)

佐条の顔に出してしまい落ち込む草壁。「フォロー」「フォロー」「フォロー」とクールな顔して考える佐条が笑えます。

結果、何もせず、手だけ繋いで寝るふたり。高校生らしくていいですね^^

 

キスしてハグして試験当日を迎えるふたり。佐条の首筋には草壁が付けたキスマークが咲いています。

 

合格。佐条は何年京都にいるんだろう。大学に4年、修士で2年、博士で3年、、、

そこへ草壁には南仏で行なわれるライブのサポートのお誘いが!佐条の一言で引き受ける草壁。

離れる1週間の間、互いのマフラーを交換するふたり。

 

卒業式当日、ぎりぎりで帰ってきた草壁。ふたりで卒業式をさぼり、ふたりの出逢い、2年生の時の教室に向かいます。

別れを惜しむふたり。抱き合うふたり。ふたりの泣き顔が素直で素敵です。

そしてふたりだけの卒業式ーーー。

 

いやー、最終話いいですねー!キュンキュンしますねー!青春ですねー!

仰げば尊し」が流れてくるところなんてまるで映画のようですよ!

ラストの「同級生」に帰結する結び方もいいですねー!

このふたりなら遠恋も大丈夫でしょ!何かトラブルが起きても、きっと草壁がフットワーク軽く京都まで走って、気持ちをぶつけて解決できちゃうでしょ!

早く20歳になってもらいたいものです^^

 

ところで、、、どーでもいーことなんだけど、ここまでの3巻の中で、ガンダムネタがちょいちょい挟まれておりますが、中村先生ガンダムお好きなのかしら?

 

さて今作も、おそらく描き下ろしと思われるものがいくつか収録されております。

 

『お好みに焼く』

草壁の白目の友人・谷とお好み焼き屋さんに行くふたり。前作で谷が草壁のことで言ったことがホントなのかどうか、草壁と谷の不思議で微笑ましい関係性が分かるお話。

そして草壁と佐条のラブラブぶりが分かるお話^^

 

『卵を焼く』

卵焼きが好きなのは草壁。なのにいつの間にか佐条の好物みたいになっていることに気付く佐条。ここすごく好き。なんか似たもの夫婦になってきてるというか、ふたり一緒みたいな感じがイイ。

で、佐条が好きという目玉焼きを焼いて、妄想する原先生。。。

中村先生は原が好きなのかしら?もしくは原ファンが多いのかしら?私的には佐条と原のそういうのは、例え原の妄想だったとしてもいらんなー(ー_ー)

 

『モチを焼く』

お好み焼き屋さんからの帰り道かな?後日談かな?

小学校からの友人である草壁と谷のことを気にする佐条。それはヤキモチ、、、?なお話。

 

『鉄板で焼く』

先生方でBBQなのかな?佐条を想ってしんみりする原先生と、慰める橋本先生のお話。

 

ひとまずこれで完結となりますが、このほかにもスピンオフやら続編やらが出ておりますので続けてご紹介していきます。

原先生の細かいちょっかいと、それを受け流さない佐条が気になって★4つに留めておりましたが、今作は最終話の素晴らしさで文句なしの★5つです^^


参考になりましたでしょうか?

卒業生―冬―(中村明日美子)

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「もらってもらう っつープレゼントも アリだろ」

 

◆攻め:草壁光(ギターリストな男子校3年生)
◆受け:佐条利人(真面目な男子校3年生)
◆エッチ:なし
◆属性など:おバカ攻め、クーデレ受け
◆評価:★★★★

 

【あらすじ】

大学受験を間近に控えた佐条は、予備校帰りに草壁とのデートの時間を重ねていた。そんなある日、佐条の母が入院することになる。病院への往復、家事、そして受験に追われ、心身ともに疲れきっていた佐条は「今、お前に会いたい」と、だれもいない自宅に草壁を呼んだ…。


【同時収録作品】

・げに大人というものは(番外編)

・気になるあの子(描き下ろし?)

・気になる先生(描き下ろし?)

・雨に宿る(描き下ろし?)

 

【感想】

前作『同級生』の続編で2巻にあたる今作。

あー、原先生がー邪魔で仕方ない(ー_ー) 生徒に手を出さないとか言っておいて、放課後二人きりになってみたり、夕食に誘うなよなー(`ε´) 

 

草壁が浮気!?ってところから物語は始まります。それは草壁の目指す音楽関係の人だったわけだけど、原先生の手配でホテルに来ることになった草壁と佐条はついに!ってところで佐条は予備校行っちゃいます^^;

 

佐条に手袋をプレゼントしよう思いつく草壁だけど、原先生に先を越されます。その理由が「誕生日だから」。その手袋をしちゃう佐条。もー、こういうところがさー、佐条も原先生の気持ちを分かってて、しかも草壁が嫌がるのを分かっててしちゃうんだもんなー (`ε´)

ふたりはいつも佐条の予備校近くのカフェで夜待ち合せしているんだけど、ショックで「おなかいたいかも」と言って帰る草壁。いい訳が可愛い^^ 

ちなみに、この待ち合わせの時に草壁が聴いてる曲はLocksleyの「Don't Make Me Wait」です。調べちゃった^^ そしてダウンロードしちゃった♪ 作品の中の人が聴いてると思うと欲しくなっちゃうんだよねー。

 

「カゲで コソコソ 人のもんに 手ー出しやがって」

教室でケンカする草壁と原先生。教師が生徒とケンカて(笑)たいしてケガはしていないけど、保健室で反省会をさせられる二人。そこに佐条登場。

原「オマエって 草壁のもんなの?」

佐条「・・・そうです 半分」

草壁・原「(・・・・・・半分?)」

ここでは私も「半分?」てなりました^^;

 

実は誕生日というのは佐条ではなく原先生の誕生日だったのでした。

「もらってもらう っつープレゼントも アリだろ」

原先生の、こういう切ない発想は好きなんだけどなー。このふたりの間においてはどうしても当て馬で私にとってはイヤな奴になってしまうのが勿体ない。という方が多かったのでしょうね、スピンオフ『空と原』が出ています(笑)

 

そんな中、佐条の母がガンで入院することに。淡々と物事をこなし、大丈夫なふりをする佐条。 そんな佐条を心配する草壁。

「泣きそうなときは 言って」

草壁の前で取り乱す佐条に優しくキスする草壁が大人で素敵です。

 

「無理すんなよ」 

 草壁の言葉が心に溶け込みます。草壁を自宅に呼ぶ佐条。

ってところで本編は終了。ほか番外編や、描き下ろしらしきものがいくつか収録されています。

 

 

『げに大人というものは』

原先生の高校生時代の切ない恋のお話。お相手は化学の先生。少し佐条に似ています。結婚している先生。確実に両想いなのに、学校から去る先生。

生徒に手を出さないという原先生の主義は、この時の経験からくるものなのかなー。

この化学の先生は後ほど別作品『O.B.』で出て来ます^^

 

『気になるあの子』 

 草壁の常に白目の友人・谷。佐条に面白がって草壁のいろんな話をします。天パだとか、水泳やってたとか、あだ名はドラゴンだったとか(笑) そこに現れる草壁。

草壁も谷も互いのことを「ま でも いいやつ だからさ」と締めくくります。友情ですねー^^

 

『気になる先生』

原先生を慰める橋本先生のお話。おじちゃん先生の橋本先生。自分の昔の恋バナみたいなものもしつつ、本題、原先生の恋煩いの話へ。

橋本「草壁光でしょ」

原「ちゃいますねん!!」

いやー、橋本先生面白い!(゚∀゚*)

 

『雨に宿る』

雨宿りするふたり。短いけどとってもラブラブあまあまです。時々男前になる佐条。ここでもラスト男前にキスして草壁も「やばい佐条 俺 ホレなおしちゃうかも!!」と大興奮です。普段クーデレの人が男前を発揮するとやばいヤツですね。

 

原先生の当て馬っぷりがなければ、そしてその原先生に草壁に対するものとは違うのは分かるけど特別な感情を抱いている佐条にイラついてしまって、本来なら★5つつけたいところだけど★4つ止まりです(>_<)


参考になりましたでしょうか?

同級生(中村明日美子)

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「もー!!」

「心に録音した いつでも再生可能」

 

◆攻め:草壁光(ギターリストな男子校2年生→3年生)
◆受け:佐条利人(真面目な男子校2年生→3年生)
◆エッチ:なし
◆属性など:おバカ攻め、クーデレ受け
◆評価:★★★★

 

【あらすじ】

合唱祭前の音楽の授業中、メガネの優等生・佐条利人が歌っていないことに気付いた同級生の草壁光。佐条は歌なんかくだらないからと思っていたが、ある日の放課後、誰もいない教室でひたむきに歌の練習をする佐条の後ろ姿をみて思わず声をかける…。

思春期に揺れる少年たちのスローテンポな恋とじれったくもあまずっぱいドキドキした気持ちを丁寧に描いた、さわやか系ピュア・ラブストーリー!

 

【感想】

評価が高いのは知っていたのですが、独特の絵で敬遠していた中村明日美子先生の同級生シリーズ。でもあまりにも評価が高いし、私の好きなあまあま、ほのぼの系のようだったので決意して購入。評価が高いのが頷ける作品です。ただ、当て馬とされる原先生と佐条の関係性に若干モヤッとするのは残るけど。まぁ、許容範囲でしょう(ー_ー)

この中村先生の絵は独特ですねー。基本的にみんな三白眼な目と、流れるような体のラインとか。あと肩ね。草壁の毛先が不思議というか、丸みを帯びてるのも面白い。

 

夏。合唱祭の歌の練習から仲を深めるふたり。たぶん最初は原先生のために練習していたであろう佐条。そんな佐条をいつの間にか好きになってしまった草壁。想いは合唱祭当日、歌っている最中に爆発してしまい、涙を流す草壁。この歌に合わせて涙を流す草壁と、それを追いかける佐条がいいですね。ザ・青春!佐条も草壁と同じようにいつの間にかふたりでの練習が楽しくなっていて、、、

 

秋。キスはするのに付き合っていないと言い張る佐条。面白くない草壁。ほんのりと参戦してくる原先生。そういうのいらないからー(`ε´)

でも草壁が男気を見せてふたりは正式に付き合うことに。この時の佐条の返事をはっきり描かずに、佐条の笑顔と後ろから強く抱き着く草壁で描かれているのがいいですね。

ちなみに、この回では和歌がとてもいいエッセンスになっています。

 

「あきのたの かりほのいおの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ」

「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」

「実りの秋、田圃のほとりにある刈り取られた稲の置かれた小屋で、ただひとりで寝ずの番をしていると、小屋が粗末で葺いてある屋根の苫の編み目が粗いので、すき間からもれ落ちる夜露に当たり、私の着物はぐっしょりと濡れ続けるばかりだ。」

 

 

そして問題の原先生なのだが、入学式の日に体調を崩した佐条を交番まで迎えに行ったことがあり、この時に佐条の電車恐怖症で高校受験に失敗した話とかしたりして、ふたりとも妙にイイ感じになるわけです。本来だったらこのままこの二人のストーリーになってもおかしくないけど、原先生は生徒には手を出さないという真面目教師だったためそうはならず、そうこうしているうちに草壁に取られちゃったわけなんですねー。

とはいえ、佐条にとってある意味特別な人であることは変わらないようで、この部分が私の中でずっともやもやすることになります(ー_ー)

 

3年生になってクラスが分かれたふたり。

草壁のバンドの解散ライブに来た佐条は、女の子にモテてる草壁を見てその場から逃げます。ビールを飲んで酔っ払い、草壁を着拒する佐条。追いかけてきて抱きしめキスする草壁。

「もー!!」と怒る草壁。怒るというか、不安やら心配やら、ホント「もー!!」って気持ちをわーっとマシンガンで話します。このシーン好きです。言葉にならない「も-!!」って気持ちがすごく分かる^^

からの「佐条が一番だ」の草壁のキメ顔!男前!キメる時はキメますねー♪

そしてそれに対する「本気かよ この 人気者~~~」と抱き着く佐条が可愛い^^ 背中を触られて声が出ちゃう佐条。

「心に録音した いつでも再生可能」草壁イイ!

 

ふたりで過ごす二度目の夏。進路に揺れるふたり。

佐条が京都の大学を志望していることを原先生から聞かされた草壁。言い合いになるふたり。

佐条「お前だって 何も言わない じゃないか」

草壁「しばらく 会うの よそっか」

 

勉強に励む佐条。バイクの免許を取る草壁。逢わないし連絡も取らない夏休み。

模試の日、電車で体調を崩す佐条。そこにバイクで現れる草壁。

高校受験の失敗を思い出してテンパる佐条に対し、「(だから)同級生に なれたんじゃん」と言う草壁。それを聞いて落ち着く佐条。タイトルとリンクする瞬間ですね^^ 同級生になるはずじゃなかったふたり。ますます「同級生」に意味が込められますね。

ラスト、仲直りするふたりの姿がじゃれ合ってる感じですごくいいです。

 

それにしても、佐条がエロい!目だな、きっと。目がなんだかエロい。あの目と丸いキチッとした頭が対照的でエロく感じるのかな。

あと、草壁の白目の友人・谷がすごくいい味出しています。そうずっと白目なの!常に仮面ヅラ(笑)佐条のことを「オマエのアレ」とか言ってるし、草壁がふたりのことをカミングアウトしても受け止めてくれるし。いい友人です。


参考になりましたでしょうか?

ひだまりが聴こえる -リミット-(文乃ゆき)

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「自分がされたら 嫌なことは 相手にとっても 嫌なことなんだよ」
「仲良くなりたい人には 自分がされたら 嬉しいことを してみるといいよ」

 

◆攻め:攻受不明/杉原 航平(難聴の大学3年生)
◆受け:攻受不明/佐川 太一(手話ビジネス会社に就職)
◆エッチ:なし
◆属性など:おバカ受け
◆評価:★★★★

 

【あらすじ】

難聴のせいで周囲と距離を置くようになってしまった大学生の航平は、底抜けに明るい性格の同級生・太一と出会い、少しずつ前向きに変わっていく。そして、いつしか太一に友達以上の想いを寄せるようになった航平は、そのまっすぐな想いを伝え、二人はようやく両思いに……。

新章・リミット編では、自分のやりたいことを見つけ社会人になった太一と、学生生活を送る航平の新生活がスタート!

 

【同時収録作品】

・思い出の頃に(描き下ろし) 

 

【感想】

『ひだまりが聴こえる』の続編で3巻にあたる今作。

航平と太一はとりあえず順調にお付き合いは続いているようですが、まだまだキスもままならないウブイ関係です。

しかも、前作の描き下ろしで予感されていた、太一が勤める会社の先輩・千葉がある意味大活躍ですよ(-_-)

そして、学生と社会人という壁も出てくるしねー。

 

航平と旅行の約束をしていたけど、会社の合宿研修が入ってしまう太一。そんな太一は憎まれ口を叩きながらも教育係の千葉に懐いていきます。そんなふたりが気になる航平。

 

航平にも新たな出会いがあります。マヤに連れてこられたフットサルコートで出会ったのは、今作冒頭でもチラッと出てきたリュウ。とてもパワフルなリュウ。ある意味太一と似てるかも。ほぼ耳が聞こえず、ゲーム会社で働いています。

このリュウが、千葉の弟なんです!今読み返していて気付いた(笑)

 

合宿から帰ってきてすぐ、太一のおじいちゃんが盲腸で入院!駆けつける太一と後追いで到着する航平。

自分の昔話をする太一。亡くなったおばあちゃんの話、両親の離婚の話、おじいちゃんと暮らすことになった話。このおじいちゃんとの話がもう。゜゜(´□`。)°゜。

強がる太一を理解している航平。心を許して泣きじゃくる太一。

 

太一を一人にしておけない航平は自宅に招きます。航平のお母さん、素敵です^^

航平の部屋でいい感じになるふたりだけど、ヘタレ太一がよー、いざという時に携帯に出ちゃってよー ( ´△`) まぁ、万が一病院からかも、とかもあるかもだけどさー、その相手が千葉だから最悪だよねー(`ε´) まぁ連絡なかったら心配もするだろうけどさー。

 

案の定、落ち込む航平。そのまま寝ることにするふたり。旅行の話をして以来、航平の笑顔を見ていないことに気付く太一。

航平はリュウの元へ。マヤには太一の友人との恋の予感?

次巻が待ち遠しいですねー^^

でも、BLにはあまあまラブラブを求めている私には、すれ違いが多すぎてちょっと読むのがしんどい部分も^^;

 

描き下ろしは、今は亡きおばあちゃんがストーリーテラーとして、どうやって今の太一が出来上がったのか、というお話。

「自分がされたら 嫌なことは 相手にとっても 嫌なことなんだよ」

「仲良くなりたい人には 自分がされたら 嬉しいことを してみるといいよ」

おばあちゃんも素敵な人ですねー♪

 

参考になりましたでしょうか?