ナンバーコール(古矢渚)
「友だちってこんなだったっけ?」
「ああ そうか 友だちじゃ ないんだ」
◆攻め:受攻不明/橘映人(エイト/文系の高校3年生)
◆受け:受攻不明/八田智也(ハチ/理系の高校3年生)
◆エッチ:なし
◆属性など:両片想い
◆評価:★★★
【あらすじ】
八方塞がりのあと、末広がり。小さい頃から現在に至るまでエイトについて回る“8”の縁は、“ハチ”というあだ名を持つ同級生、八田智也を引き寄せた。挨拶だったり、他愛のない一言二言だったり、ハチとの何気ない日常の積み重ねは、エイトの気持ちに変化をもたらしはじめる。友だちという線引きの先、この想いに名前をつけるなら、それは、きっと――。
新鋭・古矢渚のファーストコミックス!青春をひた走るDKのきらめく恋、詰め込みました。
【同時収録作品】
・リメンバーコール(描き下ろし)
【感想】
タイトルが秀逸です。そして、8にまつわるストーリーもいいです。
古矢先生はエッチもキスすらもないお話を、しっかり読ませてくれる作家さんですね。
しかも、これがファーストコミックスとな!?
私の好きなテイストの作家さんです。
エイトが落とした88点のテストを拾ったハチ。
互いの呼び名から親近感を持ち話すようになるふたり。
図書室で一緒に勉強したり、一緒に帰ったりもするようになります。
次第に違和感を感じ始めるエイト。
「友だちってこんなだったっけ?」
自分の気持ちを自覚する流れのコマ割りとか、初コミックスの作家さんとは思えません。
センスいいなー。。。
ハチのことを避け出すエイト。
同じタイミングでエイトについて知らなかったことを人伝で聞いて、自分だけが知らされていなかったことにショックを受けるハチ。
そのことを知ったエイトは、、、
最後、ふたりで歩く帰り道のシーンが好きです。
ほんの日常のことなんだけど、その日常がかけがえのない時間なんだよなーって感じます。
これもコマ割りの効果かと思います。
あと、上から見た構図の人物の身体の描き方がバランス良くて上手だなー、と感じました。
つい、上からとか下からとか、変わった角度の絵ってバランスが気になってすごくよく見ちゃいます。
古矢先生は違和感が少しもなくてすごいです。
エイトの友人の横井、キャラがいいですね^^
大佐口調「ですぞ」のやりとり、エイトが冷静にのってあげるのが笑えます。
ハチの友人・きっしーもクールでいいですね。野菜ジュース好きなのもいいです^^
描き下ろしの、卒業式前日のふたりも、かけがえのない時間を愛おしむ感じがして素敵です。
すごく素敵な作品ではあるのですが、あまあま好きな私には糖度が足りず、★は3つ。
でも良作です。
参考になりましたでしょうか?